北朝鮮を支配する金一族「白頭の血統」とは!?




北朝鮮

1948年、ソ連が占領していた朝鮮半島の北半分が朝鮮民主主義人民共和国(以降、北朝鮮)として独立しました。北朝鮮は建国者金日成の血を受け継ぐ「白頭の血統」が支配者となってきました。

・北朝鮮を支配する白頭の血統とは!?

・北朝鮮の指導者となった金日成や金正日、金正恩とはどんな人!?

・金正恩の兄弟たちはどうなっているの!?

といった事柄を中心に解説します。

■白頭の血統とは

中国と北朝鮮の国境にある白頭山(ペクトゥサン)は、朝鮮民族発祥の地とされています。

中国側では長白山とよんでいます。

日本と戦った北朝鮮の建国者金日成は白頭山を拠点に抗日闘争を繰り広げたと伝えられます。

二代目の指導者となった金正日は白頭山で生まれたとされました。

これらのことから、金日成・金正日の血筋のことを白頭の血統といいます。

いわば、北朝鮮のロイヤルファミリーだと考えると良いでしょう。

■北朝鮮の建国者 金日成

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1912年、日本に併合されていた朝鮮で生まれた金日成は、小学校卒業後に満州で結成されていた朝鮮革命軍という抗日武装集団に参加します。

その後、金日成は中国共産党に入党し、日本との戦いに参加しました。

1945年、日本が連合国に降伏するとアメリカ軍とソ連軍が朝鮮半島に進駐します。

両国は北緯38度線を境界線として朝鮮半島を分割占領しました。

金日成はソ連を後ろ盾としてソ連占領地域のリーダーとなり、1948年、金日成を首相とする朝鮮民主主義人民共和国の建国が宣言されます。

1950年、金日成は朝鮮半島統一を目指し、朝鮮半島南部に成立していた大韓民国に攻め込みました(朝鮮戦争)。

当初、朝鮮戦争は北朝鮮優位でした。

しかし、在日米軍を指揮するマッカーサーは仁川上陸を成功させ北朝鮮軍を中朝国境付近まで追い詰めます。

すると、中国の毛沢東は人民義勇軍を派遣して北朝鮮を支援し、アメリカ主体の国連軍を北緯38度線まで押し戻しました。

結局、朝鮮戦争は1953年に停戦し、北緯38度線が軍事境界線となります。

その後、金日成は朝鮮労働党内の反対派を一掃し、権力基盤を固めました。

また、独自の理念として主体思想を掲げました。

1974年には金正日を後継者と指名し、その20年後、金日成は死去しました。

■先軍政治を行った金正日

1994年7月8日、金日成が死去すると金正日が事実上の最高指導者として北朝鮮のトップになりました。

1997年に朝鮮労働党中央委員会総書記に推戴されることで名実ともに北朝鮮のトップとなります。

金正日は韓国の金大中大統領と南北首脳会談を行いました。

金大中大統領が北朝鮮との融和政策である太陽政策を掲げていたことも会談実現の要因だったでしょう。

この辺は、文在寅大統領が北朝鮮との融和を目指しているのと似ていますね。

金正日は軍を重視する先軍政治を行う一方、アメリカなどに対し要求が受け入れられない場合は軍事力行使をためらわないとする瀬戸際外交を展開します。

2002年9月に金正日は小泉純一郎首相と会談し、日本人拉致を認めたうえで、国交正常化を目指すとする「日朝平壌宣言」を採択するなど、日朝関係に変化をもたらした人物でもあります。

2011年12月19日、朝鮮中央テレビは金正日総書記の訃報を伝えました。

北朝鮮では生前から偶像化されていましたが、後継者となった金正恩によってさらなる神格化がすすめられます。

国民からは「偉大なる将軍様」と呼ばれていました。

■金正恩のトップ就任と他の兄弟たち

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金正日総書記は正式な妻である金英淑のほかに、何人かの女性を妻としていました。

長男の金正男は2番目の妻である成恵琳との間の子です。

次男の金正哲、三男の金正恩、四女の金与正は4番目の妻である高英姫との間の子でした。

まず、金正男はマレーシアのクアラルンプール国際空港で顔面に「VS」という猛毒の神経剤を塗られて毒殺されました。

実行犯は逮捕されましたが、背後関係はいまだに不明です。

次男の金正哲は北朝鮮国内にいるとみられますが、消息が不明でした。

2013年4月、北朝鮮の最高幹部の子弟から構成される烽火組のトップに就任したと中央日報が報じたことで、ようやく動向が明らかになります。

そして、三男の金正恩は金正日総書記が死ぬ前年の2010年9月27日付けで朝鮮人民軍の大将に昇進しました。

また、翌日の朝鮮労働党代表社会において党中央委員に選出されたことで、後継者に指名されたことが内外に知れ渡ります。

金正日総書記が亡くなると金正恩が「党・軍・人民の最高指導者」であるとされ、北朝鮮の権力を継承しました。

2012年から2013年にかけて、金正日時代に対中外交を担っていた張成沢(チャンソンテク)を粛清するなど自身の権力基盤を固めます。

また、アメリカのトランプ大統領と米朝首脳会談をおこない、指導者としての存在感をアピールします。

最近、存在感を増してきたのが金正恩の同母妹である金与正です。

2018年の平昌オリンピックで北朝鮮高官級代表団の一員として訪韓してから、金正恩とともに登場することが増え注目度が増しています。

2020年4月11日の党政治局会議で政治局員に復帰しました。

最近では韓国の脱北者団体が北朝鮮向けにビラを散布したことに強く反発し、開城市にあった南北共同連絡事務所の爆破を予告します。

この金与正の後ろ盾として金正哲の存在がクローズアップされました。

近年、金正恩の健康問題が浮上していることから、金与正と金正哲が金正恩を補佐する体制になるかもしれません。

■【まとめ】北朝鮮を支配する金一族「白頭の血統」とは!?

北朝鮮は金日成にはじまる「白頭の血統」が権力を継承してきました。

ソ連の後ろ盾を得て北朝鮮を建国した金日成は朝鮮半島統一を目指して朝鮮戦争をおこします。

しかし、アメリカを中心とする国連軍の介入により朝鮮戦争が膠着し停戦状態となると、主体思想を掲げて権力基盤を固めました。

2代目の最高指導者となった金正日は軍を重視する先軍政治と瀬戸際外交を展開し各国から譲歩を引き出そうとしました。

同時に、小泉首相と会談して拉致問題を前進させます。

2011年に金正日が死去すると金正恩が3代目の最高指導者となります。

一時、有力候補とみなされていた金正男は2017年にクアラルンプールで暗殺されてしまいます。

金与正と金正哲は、近年健康不安をささやかれる金正恩を補佐しているようです。

金正恩の健康状態次第では北朝鮮にあらたな動きがみられるかもしれません。