民主党の大統領候補として指名が確実となったバイデン氏は現在77歳。
大統領就任時には78歳、4年の任期をつとめ終えた時には81歳となっていることから大統領に万が一の事態が発生した時に職務を代行する副大統領の存在に注目が集まっています。
・2020年大統領選挙で副大統領候補に注目するべき理由とは!?
・現在、アメリカメディアで取り上げられている有力候補者とは!?
といった事柄を中心に解説します。
目次
■バイデン氏が選ぶ副大統領候補に注目するべき理由とは!?
新型コロナウイルス対策や黒人デモに対する対応などでトランプ大統領への批判が強まり、バイデン氏にとって追い風が吹いています。
2020年3月、バイデン候補は副大統領候補として女性を選ぶと明言しました。
女性層への支持拡大と民主党が重視する多様性の尊重などが女性副大統領を選ぶ理由とされます。
まして、バイデン氏の年齢を考えると、副大統領選びは今まで以上に注目されてしかるべきでしょう。
現在、アメリカメディアでは10人以上の副大統領候補が話題となっていますが、その中から今回は5人をとりあげます。
■【バイデン氏の副大統領選び】カマラ・ハリス上院議員

出展:Wikipedia
最初に紹介するのはカマラ・ハリス上院議員です。
カリフォルニア州選出の上院議員で、両親はジャマイカとインドからの移民です。
年齢は55歳とバイデン候補より20歳以上も若いです。
両親とも白人ではないことから、アメリカの多様性を象徴する存在でもあります。
カリフォルニア州の司法長官を務めたことがありますが、その時の厳しい犯罪対策から警察改革に消極的だとの指摘もあり、ジョージ・フロイド氏殺害後に焦点となっている警察改革では批判にさらされるかもしれません。
■【バイデン氏の副大統領選び】エリザベス・ウォーレン上院議員

出展:Wikipedia
ウォーレン上院議員はマサチューセッツ州選出の上院議員で白人です。
年齢はバイデン候補と近い70歳。
サンダース上院議員とともに民主党内左派を代表する人物として知られます。
ウォーレン上院議員を指名するメリットは、党内を団結させることにほかなりません。
予備選ではバイデン氏と争い、知名度は十分です。
■【バイデン氏の副大統領選び】バル・デミングス下院議員

出展:Wikipedia
バル・デミングス下院議員はフロリダ州選出の下院議員で黒人です。
ウクライナ疑惑をめぐるトランプ大統領の弾劾裁判で弾劾管理人(検察官に相当)となったことで知名度を上げました。
黒人であるということに加え、大統領選挙の接戦州(スイングステート)であるフロリダ州選出ということもバル・デミングス議員を副大統領候補とするメリットです。
■【バイデン氏の副大統領選び】タミー・ダックワース上院議員

出展:Wikipedia
アジア系で存在感を発揮しているのがタミー・ダックワース上院議員です。
接戦州である中西部イリノイ州出身の上院議員でタイのバンコク生まれのアジア系アメリカ人です。
イラク戦争に従軍経験があり、その際に負傷して両足を失いました。
また、2018年に出産した時には乳児を連れて上院に登院し話題となりました。
女性の社会進出や子育て、安全保障外交などで実績があることが彼女の強みです。
■【バイデン氏の副大統領選び】ミシェル・ルーハン・グリシャム知事

出展:Wikipedia
最後に紹介するのはニューメキシコ州知事のミシェル・ルーハン・グリシャム知事です。
年々、アメリカで存在感が高まっているヒスパニック系の人物です。
サンタフェを州都とするニューメキシコ州はヒスパニックの人口が白人を上回る州です。
グリシャム氏を副大統領候補とすることは、トランプ氏が進めてきた移民排除・メキシコとの壁建設に明確に反対するメッセージとなるでしょう。
■【バイデン氏の副大統領選び】まとめ
2020年の大統領選挙はトランプ氏もバイデン氏も70代という高齢候補同士の選挙戦となります。
バイデン氏は副大統領に女性を指名すると明言し、女性票の取り込みを図っています。
人種問題や経済・社会保障問題などもからみ、副大統領候補の人事はかつてないほど注目が集まっています。
どの人物を副大統領候補に指名するかによって、バイデン政権となったときの方向性が見えるかもしれません。